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近藤夫妻の1999年9月山旅、

写真撮影の旅<緑求めて3>(紀子の写真の師匠、楓大介氏をロケ案内する旅 

奥美濃 1999.9/19

 徳山村は、巨大ダムを造る為に、強制移動させられ、まるまるダムに沈む村である。隣の藤橋村が合併吸収し、本州で一番広い面積を持つ村となった。助成金に沸いた藤橋村は、そのお金でお城を建てて、失笑を誘っているそうだ。しばらく、新聞討議の話題となっていたが、どうなっているのか見たくて、夫が先生と私を案内する。
 奥美濃は標高は高くないが、山深く長大な山域であり、岐阜、福井、滋賀県にまたがる。かっては山峡間に部落が点在し、村を結ぶ峠道が発達して、由緒ある歴史の道を行き交う人々も少なくなくいたのだろうが、この時代には余りにそぐわなくなり、全国多くの山村と同じく廃村の運命をたどるのだった。
 祖先の地を守るべく残った人々の意志さえも、計画されたダム造成の為に奪われる。その計画は、当初の目的理由なくなろうとも、七変化し続けて、計画が撤回されることはない。いつの間にか国民が知らない内に、日本の山川はダムの為に滅んだ。国の土地は建設省のものでなく、私達国民のものなのに。来世紀こそは、本来の美しかった自然、私達の遊び場が少しでも、取り戻せるように祈りたい。そして、その象徴である
徳山ダムの行く末を見守りたい。
 住居打ち捨てられた廃村の山々は荒れる。重要だった峠道も藪の中に消え、豪雪に押し潰される。奥美濃は、魅力的な山々あれど、不便さと道路整備不行き届きな困難さで、旅の予定がうまく行かない山域である。今回そのことを、まざまざと思い知らされた。
 旧徳山村を通って、冠山林道を走り、冠山峠から冠山山頂は徒歩2−3時間で往復できる。名前の通りの烏帽子冠の山容を持ち、日本三百名山にも、21世紀に残したい日本の自然百選にも選ばれた名山である。そこから福井県に出て越前海岸を通って北陸自動車道で戻るのが予定であった。
 木之本町は、レトロな、ちょっと素敵な印象残る町並みだった。ここから、少し北上した道々には、岐阜県への通行止めの立て看板並ぶが、車の流れから信じ難く、突き進む。金居原の集落先でとうとう往き詰まった。徳山村よ、あえなくさようなら。仕方なく、福井県今庄から伸びる林道を通って冠山峠に向かうことにする。

今庄から越前海岸へ

 大浦街道から丹生川渓谷を通る県道も何故か通行止めにされている。また仕方なく、国道の北国街道を目指す。
 途中通った
上丹生の集落付近、高時川の河原と、上流にそびえる七七頭ガ岳と田園風景が良い。ちょうど太陽の光線具合も良くて、緑美しい撮影大会となる。七七頭ガ岳は関西百名山にも選ばれ、均整のとれた山容で「丹生富士」とも呼ばれ親しまれているそうだ。また登りにくることもあるだろう。この辺り、立派そうな神社が多く、清涼な気に包まれている。詳しく判らないけれど、良い土地柄なのじゃないかしら。
 平行に走る北陸自動車道と分かれて、椿坂を登りきると椿坂峠から栃ノ木峠までは、先の高時川の上流山地であるが、平らに伸びる山頂尾根で、途中に集落もある。田圃の畦道に立つ農作業小屋に魅かれて撮影。峠を下ると今庄町に入る。
 今庄は、私達夫婦が奥美濃の山へ登りに来る時、起点となることが多い。田舎の町だけど、特産の蕎麦を活かした町興しがされている。
 ちょうど通った時に、そば祭りが行なわれ賑わっていた。この目玉は、満開のそば畑で行なわれるモデル撮影会であった。同じ場所で多くのカメラマン達が写真を撮ってる姿には、苦笑するしかない。けれども、蕎麦の白い花広がる畑は美しく、花風に揺れてやはり、写真家の心も揺さぶるのだ。ハイ、私達も撮影。

 日野川の支流沿いに東に進み、瀬戸の集落に入る。由緒ありげな史跡等あるが、肝心の林道入り口がわからない。地図にない道が付けられ、あたかも正道のように引き寄せるが、また往き詰まってしまう。廃屋朽ち、傾いた電柱に葛の葉巻きついて、廃虚となった風情に、また撮影する。
 うろうろした後、この廃虚を突っ切ると林道入り口が見つかった。ダ−トの細い曲がりくねった道を登っていく。通行止めの立て札はあるのだが、進んでいけるので、信じられない。行ける所まで行ってしまえと、どんどん登り、空が近くなってきた処、
高倉峠近いかな、オフロ−ドのバイクが一台下りてきた。彼の言ういわく、バイクでも通れないとの事。とうとう私達もあきらめることにした。さようなら、冠山
 今庄のそば祭り会場で、おそばを食べて気を取り直し、一路越前海岸に向かう。武生市は、ハ−プの製造が人知れず世界一番である。そして、また新しい道に惑わされながらも無事、越前町厨温泉に到着。夫の名?迷?ナビゲ−タ−ぶりに、期せずにも盛り沢山な旅、撮影会となった。温泉は海側に立ち、日本海広がる露天風呂が好い。ダイバ−客で賑わう。入りながら眺められる夕日はきっと豪華だろうな。
 越前海岸のドライブは素晴らしい。よく晴れた午後の光に、日本海は美しく輝き、先に見える山々も敦賀半島の以前に登った山々も緑濃く、目に優しく染みる。爽やかな緑の風を受けて、本日も楽しい旅であった。
<行程>
梅田→吹田−名神高速北陸自動車道→木之本−303→金井原←→杉本→大浦街道、県道→上丹生→余呉−北国街道、365−栃ノ木峠越え、→今庄→燧−476→瀬戸→林道行詰まり←→今庄→武生−県道→厨温泉−越前海岸305河野海岸道路→敦賀−北陸自動車道−名神高速→吹田→梅田