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近藤夫妻の1999年10月山行記録

蒜山1200m(上蒜山)<中国山地> 1999.10/1−2


 2月のリタ−ンマッチ戦である。夕方、湯原温泉で入浴・食事後、タクシ−で犬挟峠に向かう。下蒜山の登山口に、夜蔭に紛れてテントを張る。まっ、何にもない所だから、隠れる必要ないのだけれど。
翌朝、全装備を背負って縦走に出かける。
蒜山は期待通りの、美しい笹に覆われ、笹は低いから(笑)、展望すこぶる良い。遠く大山の支稜線が幾重か伸びて日本海へ続き、眼下の山麓が近く、穏やかな牧歌的風景の蒜山高原の台地が広がる。
 雲居平の笹原はとても美しく、ススキの原が風になびいて、大海原を歩くように、優しいなだらかな稜線がずっと続く。下蒜山山頂はやや地味。中国山地らしい自然な樹林帯や小灌木帯、植林帯をゆるく登り下りする。振返る下蒜山も、振仰ぐ中蒜山も悠々として素晴らしい。
中蒜山
山頂からは最高峰上蒜山がどっしりとして私達を待つ。つなぐ稜線がまた良いのだ。南側は変わらず美しい笹原、北側に落葉松林、そしてブナの林が上蒜山を取り巻いて、秋の澄んだ空気と光で、質感色彩鮮やかに描き出す。鞍部から休み休み上って来る登山者達もこの絵に花を添えてくれる
。笑ってしまうほど麓が近く、冬に泊まったホテルも手に取る様だが、この広い盆地高原の向こうに山波が続いている。それらの山の名を唱える夫であったが、さっぱり理解できない私なのだ。けれど、意外に森美しく、良いらしいので、いつか登る事もあるのでしょう。
 さて、気分楽しく縦走の最後を飾る
上蒜山は、ブナ林に覆われる。今年のいつ迄も続く暑さは、紅葉を前にして葉々を枯らし始め、あまり美しくないのを、ふり注ぐ光が助けて、良く見せてくれる。
 下降して樹林帯を抜けると、八合目
槍ガ峰周辺はまた、笹草原が広がり、越えてきた三山を見渡せる。そして、名峰大山烏ガ山が迫ってくる。その大山に続く張り出した長く平らな、横枕台地というのが目立つ。これも大山火山溶岩が流れ積もったのだろうか。その上をまっすぐ車が走る立派な道があるという。
 槍ガ峰
を下ると背の低いカシワの純林、そしてどんどんと、牛達の戯れる牧草地へ下りていくのであった。

<行程>宝塚=
高速バス→湯原温泉=タクシ-→犬挟峠<野営>…→下、中、上蒜山…蒜山高原=バス湯原→宝塚