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近藤夫妻の1999年10月山行記録

小秀山 1982m <美濃>  199910/24


 下呂温泉には快速電車を乗り継いで5時間位。お昼頃、高山線に乗った人達はみんなお弁当を広げて、歓談の声をはずませる。中高年のおばさん、おじさん達他、思った通りみんな下呂温泉で下車する。町内会か同窓会か、なんとも、ほのぼのするよね。
  私達の入った公衆温泉浴場は、露天やバブルや打たせ湯もあって300円。ちなみに、翌日は同料金で別の温泉で、建物が美術館?入口はロ−マ風彫刻と噴水があり、焼物の茶碗が陳列してあって戸惑った。入ると脱衣場が2階にあって、浴室には石を埋め混んだ階段を降りていくと木のお風呂、窓が大きく天井高く、明るく奇麗、一階から直接入ってこれる身障者用の入口もあって、いいお風呂だったな。

 さて、タクシ−で登山口の乙女渓谷に向かう。夏は賑わうキャンプ場で、バンガロ−建ち並ぶが、今は閑散として静かだ。川の流れは清洌で、白い岩の谷床である。
  渓谷の
二の谷コ−スは急峻で多くの滝、ワイルドな道を楽しめるはずなのだが、どうも掛け橋が落ちて、ロ−プで道を塞ぎ、完全に通行禁止にしていた。復旧作業は全然行なわれておらず、残念だ。
  とりあえず、キャンプファイヤ−用の木造やぐらの上にテントを張った。翌朝、
三の谷コ−スを行く。
林道後は尾根沿いの道で、植林と雑木林の混じる地味な植生だ。周辺の山も植林で、禿げたような伐採跡と林道が痛々しい。前に登った同じ木曽の山、奥三界岳の切り裂かれた山容を彷彿とさせて、心弾まない。
  この辺で良い山は南木曽岳、素晴らしい原生林があり、植生豊かで山頂の展望抜群、日帰りも可能な位交通も便利だ。
  ぐんぐんと高度を上げてくると、巨岩が蓄積した
カブト岩に出る。小秀山、御岳も望めるが、遠方の妙に立派な山が気にかかる。あれは何だ。夫は白山だと言い張るが、それにしては近すぎると信じない私。方向距離的に川上岳(昨年登頂)だろう。けど、うっすら白化粧して周りの山とは一線を画している。う〜ん、こんなに白山が近く見えるのか、何だか思わぬ拾い物をした気分だ。
 この後、だらだらと上り下りして、
小秀平という小さな笹原に出る。中央と南アルプスが望まれる。
 山頂は展望台の大岩を通り抜けて、奥の小広場に三角点が設置され、いつものように足で踏み踏みしてから大岩に戻る。
 霊峰
御嶽山の余す所なき全景が眼前に迫る。剣ガ峰王滝山継母岳にかしずかれ、大爆発でえぐれた地獄谷、先年の木曽王滝地震による山津波(土石流)跡が痛々しくも克明に分かる。
 お天気好く、緑々した山々に囲まれ、一番乗りした特権で一番展望の岩上で気持ち良くお昼寝していたら、次々とお客さんがやって来た。結構人気の山なんだな。
 私達は「地味な山だ」を繰り返し述べ合いながら、下る。帰りのタクシ−で昨晩、町歌舞伎が行なわれた事、他の祭り行事など興味深い話が聞けた。


<行程>大阪ー
JR米原岐阜下呂=タクシ-→乙女渓谷<野営>…→三ノ谷コ-ス…小秀山…同→乙女渓谷