蒼の富士山
　百間洞の新しい小屋は、南アルプス南部核心部とは信じ難いほど、 立派な造りにサービスも充実。昨晩は雨の為、小屋に避難して正解 だった。だからといって、南アルプスの長く苦しい、高低差ある縦走路までは変わらない。
　登山４日目、早朝から３時間登り詰めて、ようやく赤石岳３１２０Mに立つ。そのご褒美こそがこの展望に違いない。私は、富士山を愛す。南アルプスから見る富士は、堂々として、且つ小角を２つ生やして裾野を広げる様が、愛らしい。
　天気は穏やかに下り坂、この日この後６時間以上歩く行程もさて置いて、我が富士山をしげしげと、愛でた。
　　　　　　　　　　　　　　１９９８年７月２１日　赤石岳より