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近藤夫妻の1999年5月山行記録

笹ヶ峰1860M・東赤石山1707M(石鎚山系東)1999.5/15−17

四国を目指せ!笹の山・笹ヶ峰  

 その晩には夜行電車に乗るはずだった。今年目標の中で(今前後の登山の中でも)最大の難関と思われる毛勝山に行くために。が、日本の中央部に停滞前線が貼り付いてしまった。これではいけない!せっかく夫が3連休を取ったのに(行けなくなってちょっと安心したけど)、急きょ行き先変更!と言う訳で、色々検討の結果、四国のこの山に決まった
 四国の山は、伊予の美しい笹に覆われた名山が多いのだが、全国的には顧みられず、「西日本には山が無い」などと関東人に言われてしまうように、関西からも「どうせ行くならアルプスに…」となって置き去りにされてしまう不幸さがある。さればこそ、熱烈に郷土の山々を愛す四国の登山者達を私は知っている。夫もその一人だ。田舎が香川だからかは知らないが、「百名山が2つは少なすぎる」とうるさい。私もそれ程の思い入れはないがもっと評価されてよいとは思う。

ピンクの沓掛山へ

 さて、明るい春の林を歩く。谷沿いのせせらぎを聞きながら、下草は花を咲かせ、初々しい新緑の森は本当に気持ちがよい。休みつつ、すぐ丸山荘に着いてしまった。田舎の校舎の様な大きな木造2階の建物は思ったよりボロくなく、管理人夫妻の人柄を表わすおじいちゃんおばあちゃんの温かさがある。
 荷物をおいて沓掛山を往復した。道は、の濃い緑と黄緑の針葉樹が変って見えたので、何かと近づくとカラマツだった。落葉する針葉樹で、紅葉美しく新緑もよい。
 はまだ緑々してなかったが、山頂周辺は、艶やかな薄ピンクのアケボノツツジが沢山ある。春霞の中、遠眼にも美しく近く(初めてよく見た)も、桜の形の大輪の花でツツジの中の女王様!と私は見た。
 誰かが「今年は花の付きが悪い」と言っていたものの、明日行く
笹ヶ峰からの稜線も、ピンクに染まっていて、思いがけない期待を抱かせ嬉しくなる。うっすら遠く石鎚山伊予富士らが浮かぶ。忙しさから開放されて、頂上でしばしぐっすり眠ってしまった。

笹ヶ峰からもひたすらピンクの稜線

 翌日は笹ヶ峰の上から、やはり春霞みで遠望は利かず残念。笹原が広がり所々コメツツジが群生しているが花は6月、紅葉も鮮やかなので、一度盛秋に四国に来たいとは思っている。
 
ちち山を横切り続く稜線はピンクに染まる。アケボノツツジ゙の群落の中から仰ぐ立派な笹ヶ峰を見惜しみつつ、下っていくといったん林道に出て更に下る。道は急でがれている所もあるが悪くない。黄色(キバナノコマノツメ)や薄紫(?)のスミレや、ヤマシャクヤクも咲いていた。やがてまたしてもピンクの山瑰が続く。
 
西山だ。手前のピ−クのアケボノツツジの中、揚々休む。遠く笹ヶ峰を振り返り、先に平らな銅山越えと続く法皇山脈と言われる赤石山系を望む。一面ピンクで花は美しく、ここからはそれ目当てのハイカ−で山は大賑わいだ。有名な別子銅山の跡の道は禿げてガラガラしているが、ツガザクラの群生が足元に広がり可愛らしい。
 続く
西赤石山アケボノツツジ゙の群生で美しいとはいえ、さすがに食傷、それよりその長い道程と暑さのためとで飲み水は残り少なく、喘ぐ登り道、頭の中はちゃぷちゃぷと湛える水の幻想と、ただただ「水がいっぱい飲みたい」思いでいっぱいだ。
 お待ちかねの登頂ジュ−ス(ビールではない)を、翌日の分も2本一気飲みしてやっと落ち着き、やっと登頂の喜びを噛み締めることができた。
 アケボノツツジ゙のピンクの北斜面は急に落ちているが、南斜面はカラマツの新緑などでまたよい感じだ。目指す
東赤石山は、これまでとはガラリと趣を変えた岩峰で、四国が誇る高山植物の宝庫である。
 とりあえず、
赤石山荘に直行。ここは、有名な四国の山屋の名物人(普段は教師らしい)が週末のみ管理する小屋で、ボロイが、人気があり(管理人の人柄でか?)、広く居心地はよい。日曜日は誰もいないのが、またよい。裏に湧き水があり、タオルを濡らして全身を清めると、ようやく落ち着いた。

四国が誇る、特殊な地質の東赤石山

 翌日、念願の東赤石山に登る。西部劇の様な荒涼とした風景で、異様な枝ぶりのヒメコマツ(五葉松)と、檜のような濃緑クロベの間に、ピンクのアケボノツツジ゙が混じり、赤褐色の岩峰群が立ちはだかる。
 蛇紋岩系の橄欖(かんらん)岩から成り表面が酸化して赫いらしく、独特の景観に凄味を持たせている。何より不思議なのはその岩々に白い斑紋が付いていて、まるで白牡丹の刺青のようなのだ。?う−ん。植物・生物・歴史・天文・地質他、山は奥底深く広くとても勉強しきれない。
 植生も変わっていて、東北の早地峰に似ているらしい。山頂から、
瀬戸内の眺望は望めず残念だったが、豊かな新緑の森を下っていくと、すごく立派な八間滝を覗く事ができる。後はまた、どんどん下るだけだ。
 バスを待つうちに雨が降りだしたが、
伊予三島の駅近くの、豪華な公衆浴場で遊び、その前に建つ「讃岐うどんと寿司」というナイスな組み合わせのファミレスで思いかけず美味しい! 食事にありつけた私達はもう幸せいっぱいの山行に言うことはないのであった。

<行程>
5/15新神戸ー新幹線→岡山伊予西条=タクシー→登山口(1200)…→丸山山荘…沓掛山…(1630) 丸山山荘<泊>
5/16 (600)…笹ガ峰…西山…銅山越…西赤石山…(1630)赤石山荘<泊>
5/17 (700)…東赤石山…赤石山荘…八間滝…(1340)筏津=バス→伊予三島、風呂・食事ー特急しおかぜ→岡山ー新幹線→新神戸