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近藤夫妻の1999年3月山行記録

東山(鳥取) 1338M   1999.3/6−8      

中国山地第4位の高峰、東山(とうせん)
 東山(とうせん)は中国山地第4位の高峰でありながら、登山道がないためかあまり知られていない山である。こういった山は、無雪期だと大変な藪漕ぎを強いられるため、3〜4月の残雪期に狙うに限る。とはいえ、早いと雪崩、遅いと雪が解ける等問題があり、年毎に雪の状態が違うので時期を選ぶのに苦労する。
 これは3年越しの計画で、だいたい行くと決めた山に何年も行かないままでいるなんてとても私の性分にあわない。が、夫には20年越しの山々が幾つもあるのだ!
天気予報は宜しくないが出発した。

芦津渓谷から東山へ
 JR上郡から智頭急行に乗り換えると、明るい里山風景が広がって旅情を誘う。のも一瞬で、私は乗物に乗るとすぐ寝てしまう…ZZZ…。
 初日は天気がよく、芦津渓谷は初春の光に輝いている。春は木の根元から雪を溶かし独特の景色を作る。またここは自生杉とミズナラ等の落葉樹が交互に好く配置され中国山地のおおらかな森だ。
 中国山地は所謂雑木林が多く、木の種類が豊富で宿り木や蔓性の木など互いに寄生共生しあい一つの世界を作っている。西へ行くほどまろやかな暖か味のある森になる。ここはまだ氷ノ山が眼前なのでそれほどでもないが、氷ノ山言えばまたこれが、ブナの純林でこれほど立派な森を私は知らない。南東面が絶品だ。ここ東山も悪くない。
 雪が1M以上覆われた林道の上を、ワカンを履いて進む。良く利くのだが雪が重くて足を上げるのに力が要る。またこの雪が付くとじわ〜と濡れて良くない質なのだ。時々は先頭を交代するが、夕方になり、予定より手前で野営となった。
 テントの下に杉の枯枝を集められる限り敷き詰めたので、底からの雪の冷気を遮断でき、地面から浮いているので早朝からの雨にも底が濡れずにすんだ。
 さて翌朝、雨の中を東山目指して行く。雪が柔らかく更に重くなって、更に疲れる道行きだ。地図にはなかった林道は、若桜迄つながっており所々立派な看板が有る所を見ると結構な観光地かもしれない。
 峠から林道をそれて尾根に取り付く。木の枝に赤いリボンや目印を付け、景色を覚え、帰り道を迷わないように進む。一部ブナ純林になっていてなかなか好い。正面に有るはずの氷ノ山はガスって望ず、とても残念だ。頂上を確認するため丘を一つ通り越してから一番高かった頂上らしき地点に戻る。頂上は元々何もないのか雪に覆われているのか、縞々の棒が立ててあっただけだ。すっかり濡れて冷えたのでテントに戻ると動きたくなくなり、連泊することにした。翌日はぼた雪となり、とても疲れ果ててしまったので、予定の沖ノ山も取り止めにして早々に下山した。

<行程>三ノ宮⇒JR→上郡⇒智頭急行→智頭⇒タクシー→芦津ダム(10:40)…→三滝渓谷…→沖ノ山林道(中国自然歩道)…→(1700)三滝奥<野営泊>(7:30)…→智頭若桜境界稜線…→ 東山…→(1400)前野営地<泊>(5:15)…同上戻る→芦津ダム…→(1130)芦津集落⇒タクシー 智頭⇒智頭急行→上郡⇒JR→ 三ノ宮