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ごく気楽なメモ〜普段、よく聴く音楽(2000年11月現在)

近年、どんな音楽を聴く機会が多いか、ごく気楽に書き留めてみた。
おのずと、意識するしないに関わらずもっている音の好み、関心の方向、音楽生活のスタイルが見えてくる。
以前はよく聴いていたのに最近聴かなくなった音楽、とても有名な素晴らしい名曲と言われていながら、なぜか自分があまり聴いていなかったもの、あるいは自分の関心の空白になっている分野などが逆に見えてくる。こうして書きとめてみると、自分の「音楽の聴き方」をふりかえることになる。そういえば、イタリア・オペラでまだ聴いていないものが多いなとか、ショパンやメンデルスゾーン、サン=サーンスなどはごく一部の作品しか聴いていないとか、アメリカのポピュラー音楽やアジアの音楽をあまり知らないといったことも認識する。
ドニゼッティ、ベルリーニ、ロッシーニ、マスネやグノーのオペラをちゃんと聴いていない、ベートーヴェンやシューマンあたりの室内楽にまだ聴いていない有名作品がけっこうあるといったことにも気づく。
この文章は、「英国音楽メーリングリスト」での、英国音楽以外に聴く音楽という話題をきっかけに書いた文章なので、私がとくに耳を傾ける機会の多いイギリス音楽については触れていません。英国の音楽は日常、もっともよく聴くものです。

まず20世紀ものクラシック関係では、

ヴィラ=ロボス・・・・これは特に自作自演が圧倒的。
レブエルタスポンセヒナステラ以降など中南米の近代音楽
(いやはや、フォークランド紛争はとんでもない戦争でした。イギリスとアルゼンチンの音楽をとりわけ愛する私にとって、両国の対応、とくに英国の傲慢さにはやりきれないものがありました。)

プロコフィエフはかなりCDを集めていて、所持枚数最も多い作曲家の一人。
「鋼鉄の歩み」、「ピアノ協奏曲第5番」などはとくにお気に入り。
ロシアのもっと後の世代、シチェドリンだとかは、今ほど
西側で広く認識される前、ソ連崩壊以前に、メロディアの
ちょっと印刷とかのいいかげんなLPを結構聴いていました。
シチェドリンのカンタータ「われ等の心に生きるレーニン」だとか
イワーノフの「ガガーリンに捧げる交響曲『宇宙』」などは
さすがに最近聴く機会がないけれど・・
少し遡っては、メトネルのピアノ協奏曲2、3番など。

ヤナーチェクシマノフスキマルティヌーエネスコ
コダーイなど東欧の作曲家。(バルトークは評価しつつも何か
作曲構想の人工的構築の計画性が耳についてしまうことが)
サイグンというトルコの大作曲家もシマノフスキとバルトーク
の中間的とも言える作風だが素晴らしいオーケストラ歌曲や
協奏曲がある。
スイスのマルタンも時折聴きたくなる作曲家。

シベリウスニールセンアッテルベリからサンドストロームまで
の北欧近現代もの。

アメリカの近現代・・・アイヴス、W・シューマン、バーバー、
カウエル、ジェフスキ、ルー・ハリソン、ルーカス・フォス、
エリオット・カーター、フェルドマン・・・

とくにウィリアム・グラント・スティルは誰にも推奨。

ドイツ・オーストリアでは、
新ヴィーン楽派はもちろん、レーガーヒンデミットもよく聴きます。
お気に入りの作曲家は活躍中のヘンツェで交響曲など味わい深い。
ベルクより聴きやすいくらい。
新しい世代ではマンフレート・トロヤーンが狂暴なロマンで期待。
 リームとかボーゼとか不健全な精神の音楽は苦手。

エドガー・ヴァレーズの「アルカナ」や「アメリカ」から
「デゼール」までも時々聴き直す音楽。

フランスでは、ミヨー、トマジ、フローラン・シュミット、ルーセル、ジョリべ、
メシアン
あたり。メシアンは中学生の時に聴いて衝撃的だった。
トマジの合唱曲「12のコルシカの歌」は名曲。
ミヨーは、「男とその欲望」や「交響曲第1番」など。

19世紀以前のクラシックで好きな作曲家は、
スコアをよく見るのはブラームス、シューマン
シューマンの交響曲や「ヴァイオリン協奏曲」や「ファウスト」など。
シューベルトの交響曲は1番からいきなり良いし、歌曲はよく聴く。
ロマン派マイナー作曲家では、ヨアヒム・ラフの交響曲だとか
(ブラームス出現以前にもっとも大きな顔をしていた交響曲作曲家)
ロベルト・フォルクマンの「チェロ協奏曲」
(ドヴォルザーク出現以前の最高のロマン派チェロ協奏曲)。
北欧でベルワルトの交響曲。「サンフォニー・サンギュリエール」のがLPの輸入盤も見つからない頃、FM放送を聴いて強い印象を受けた。
グリーグは思いの他新鮮な音楽だと受けとめている。
ヨハン・ネポムク・フンメルは妙に好きな作曲家で
「ピアノ協奏曲イ短調」「ピアノ協奏曲イ短調ロ短調」「7重奏曲」
「ピアノソナタ嬰へ短調」などの傑作はもし未聴でしたら是非、
聴いて見てください。
古典派ではパパ・ハイドンの弟、ミヒャエル・ハイドンの音楽に
不思議な共感を覚えます。「レクイエム」は傑作。

実演に接するのは、兄の活動に付き合って、モーツアルトビゼー
ヴェルディのオペラ。
(この流れでマスネやグノーあたり、今まで聴く機会が少なかったが、
結構、気になってきた。)

クラシック以外では、
世界中の民俗音楽、伝統音楽、ポピュラー音楽。
だいたいヨーロッパ人が悪事をはたらいていた場所の音楽
とくに英国とスペインは前科が多い。
被害はまだ癒えない・・・

今、CD棚の最も取りだしやすいところには、
ヴェロソ・カエターノ、エグベルト・ジスモンチ、ユパンキ、
バーデン・パウエルなどラテン音楽が多い。
昨日の晩は石川セリ武満のアルバム、
西アフリカのポピュラー音楽の大物、サリフ・ケイタを聴いた。
今日の朝は、ブルックナーの9番(若杉弘指揮)のCD。

FMでは「日本の民謡」「日本民謡大観」・・・

でも、J−POPは全然詳しくないし、カラオケのレパートリーには
困ります。

いやはや、ブルックナーを聴きながら書いたら長くなってしまった。

2000年11月12日記
近藤浩平

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