関西学院出身のクラシックの作曲家達と、映画「にしきたショパン」、震災、ヒロシマのピアノ音楽
山田耕筰〜大澤壽人〜佐原詩音〜近藤浩平
多くの現代作品をてがけるピアニスト、パフォーマーの清水友美が来演
ピアノ/朗読/演出:清水友美
演奏会概要
チラシPDF
2023年1月22日(日)14時00分開演(13時00分開場) 入場料:¥2000(自由席)
当日券あり。
テケトで購入できます。(1月21日まで)
会場:兵庫県立美術館ギャラリー棟1階アトリエ1 (神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1)
JR:神戸線灘駅南口から南へ徒歩約10分、阪神電車:岩屋駅(兵庫県立美術館前)から南へ徒歩約8分
主催:関西アートミュージック・プロジェクト 共催:株式会社Office Hassel
後援:特定非営利活動法人 日本現代音楽協会、一般社団法人 日本作曲家協議会 一般社団法人 全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)
関学出身の作曲家達のピアノ曲
大澤壽人:富士山 山田耕筰:黎明の看経 佐原詩音:落下する秋、静か -茅ヶ崎市美術館-
近藤浩平:海辺の雪〜震災と津波の犠牲者への追悼 (映画「にしきたショパン」に登場する左手のピアノ曲)
連弾のための組曲「島」 ヒロシマの戦後を描く演劇「島」のための劇音楽による朗読/演出付き上演
作曲:近藤浩平 脚本:堀田清美 構成・演出:清水友美 朗読:岩井智恵、清水友美
ピアノ演奏:清水友美、佐藤浩紀
(プログラムは、変更になる場合があります)
teket(テケト)でのチケット購入が当日、スムーズです。
https://teket.jp/5251/18013
関西学院出身の作曲家たち
山田耕筰は、1900年に当時、原田の森にあった関西学院中学部に入学、在学中に最初の作品を作曲しています。スクリアビンの影響も受けた個性的なピアノ曲は、杉浦菜々子氏の録音によるCD「近藤浩平&山田耕筰 ピアノ作品集」が出るなど近年、再発見されつつあります。
大澤壽人は、1930年に関西学院高等商業学部を卒業後、アメリカ、ヨーロッパで国際的な作曲界第一線の時代の最先端の作曲を展開しましたが1936年に帰国。神戸女学院で教え、朝日放送や宝塚歌劇などの音楽もてがけました。近年、そのモダンな音楽が驚きをもって再発見されつつあります。
佐原詩音は、関西学院大学社会学部社会福祉学科を卒業後、就職し企業などで仕事をした後、東京藝術大学音楽学部作曲科で学びなおした作曲家。作風は多彩で、次々と作品を発表しています。在学時には関西学院交響楽団に在籍していました。
近藤浩平は、関西学院大学文学部美学科で音楽学を専攻するとともに作曲を独学。舘野泉氏や智内威雄氏のための左手のピアノ作品が知られている。ピアノ、ギター、ヴィブラフォンの協奏曲を含め様々な編成の個性的な作品は海外を含め演奏機会が多い。
この演奏会では山田耕筰、大澤壽人、佐原詩音、近藤浩平の4人の関学出身の作曲家のピアノ作品で、明治から現代に至るまでクラシック/現代音楽の作曲家を送り出してきた音楽における阪神間モダニズムの系譜をたどります。
関西学院出身のクラシック/現代音楽系の作曲家は、今回取り上げる以外には、河南智雄、今史朗、大平泰志、滝本泰三がいます。
ヒロシマをテーマにした演劇の音楽を原曲とする連弾のための組曲「島」
2001年に神戸アートビレッジセンターで劇団神戸自由劇場が戦後のヒロシマの被曝者の暮らしをテーマにした演劇「島」(堀田清美作)を上演しました。その際に近藤浩平が作曲した劇伴を素材に作曲された作品。元の芝居の中の台詞の抜粋朗読付きの演出で演奏されます。瀬戸内の美しい島の風景を背景に被曝者の戦後の不安と希望を描く演劇ですが、音楽は美しい海の音楽です。連弾のための作品として国際ピアノデュオコンクール作曲部門で入選しています。「島」の主人公のモデルは、日本原水爆被害者団体協議会代表委員。広島県原爆被害者団体協議会理事長を勤められ2021年に亡くなられた故坪井直(つぼい すなお)さんです。この「島」は戦後、最も早い時期に原爆を題材につくられた演劇の名作です。
映画「にしきたショパン」の音楽
阪神淡路大震災と左手のピアニストをテーマに、西宮を舞台に阪神間で撮影された映画「にしきたショパン」(監督:竹本乃)は、ミラノ国際映画祭最優秀長編作品賞をはじめ国内外で数々の受賞を重ね、「マドリード国際映画祭最優秀作曲賞」を受賞しています。鍵太郎が作曲し凛子が弾く「左手のエチュード」という設定で使われている曲は、左手のピアニスト、智内威雄氏の委嘱で書かれた「海辺の雪〜震災と津波の犠牲者への追悼」という作品です。コンサートではこの曲の全曲が演奏されます。