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近藤夫妻の1999年1月山行記録

赤岳(八ヶ岳)2899M 1999.1/1−2

 「お正月は富士山の見える山」シリ−ズ4 と冬山のレベルを上げるべく(初級者コ−スだが)赤岳を選んだ。
 途中に見える八ヶ岳は、冬とは思えないほど黒い。南沢を行き、行者小屋までアイゼンがいらなかった。光を受けて輝く白い針葉樹林帯の上に、阿弥陀岳、中岳、赤岳、横岳らがそびえ立つ。青い空を背景に頂上で動く人の影がよく見える。大同心、小同心といった険しい岩群も鮮やかだ。
 ここで12本爪アイゼンとピッケルを付ける。これは婚約したときのX'masと誕生日のプレゼントに貰ったものだ(こんなんくれるか!)。
 地蔵尾根は急登だが距離は短い。どんどん高度を稼ぎ、登りつめると、待望の富士山とご対面。秩父の山々、浅間山、そして八ヶ岳の美しい裾野の向こうに遠く真っ白な北アルプスを望む。南アルプスも近い。また蓼科山まで続く連山も順光でくっきりと好く見え、360度、申し分のない展望だ。
 が、すぐ下には
行者小屋やカラフルなテントや登山者が近く見えすぎ、雄大さを感じない。この山は箱庭的美しさで、冬遊ぶにはいいが、夏遊ぶ気にはなれない。森や湖、お花畑はとても素晴らしいのだけどね。
 山頂は多くの人がいた。じっとしていると寒さで顔、手、足先が痛み出す。夕方の撮影は寒さでカメラが動かなくなったほどだ。氷点下15度位の世界だが、雪山が赤く染まる様は神々しく、とても見逃せない。
 翌日は強風の曇天、雪も舞う。視界はないが、鎖やトレ−スがあり、道に迷うことはない。ほとんどの人が引きかえしていく中、予定通り阿弥陀岳にも登った。足場が悪く一瞬ひやっとする所があったのだが、落ち着いて対処、中岳ノコルから沢を一瞬で一気に駆け下る。これが雪山の醍醐味なのだ。

<行程>宝塚ーJR青春18切符→茅野=バス→美濃戸口、八ヶ岳山荘《泊》…→行者小屋…赤岳展望荘、赤岳往復後《泊》…赤岳…中岳…阿弥陀岳…行者小屋…美濃戸口=バス→樅の木温泉=バス→茅野ーJR→宝塚