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近藤夫妻の1999年6月山行記録
●御在所岳(鈴鹿)1212M 1999.6/20
彦根の友人、Kご夫妻はお勤め先で山旅行社のような存在で、いろんな人を山に案内している。時々私達もKツア−に便乗させていただくが、今回は総勢6人。
滋賀と岐阜と三重県境の鈴鹿山脈は広く、岩あり沢ありお花畑あり豪雪あり、それぞれ個性的な山頂が連なって、バリエ−ションに富む。ファン多く、鈴鹿しか行かない主(ヌシ)の話もよく耳にするが、その辺のアルピニストでは及ばない強者であること、間違いない。奥の深い険しい山域なのだ。
その中で御在所岳は、湯の山温泉からのロ−プウェイ(かの深田久弥氏も乗ったという)のためか、一番メジャ−な存在である。高さの点で、百名山の選から洩れたのは残念だけどいい山だ。夫は登ったことがなく、私は2回目で、前はハイキングの会友達H氏に連れられて、私とS嬢が3月に登って下りにロ−プウェイを使った。
展望絶佳、初夏の縦走路
山頂へは幾つものル−トが有るが、一番変化があり面白いという中道をとった。ここの醍醐味は、緑の木々の中に花崗岩の奇岩が露出して、所々にガレや一大岩壁があり、青空に、真っ赤なゴンドラが行き交うのを見上げる所にある。
雨上りの森は本当に美しく、いつもは白っぽい地面も、朝までの雨で色が濡れて黒く落ちた上に、木もれ陽差す光が作る、コントラストが鮮やかで、いっそう眼に染みる。あちこちでコアジサイが咲き、ササユリも可憐だった。視界が開ける毎に山頂の雲はみるみる早さで流れ、例の、空と木と白い岩ガレとロ−プウェイがポスタ−の写真のようだ。
今回特に良かったのは、東に伊勢湾がぐるりと、対岸の愛知県までくっきり描き、西にきらめく琵琶湖の竹生島まで望めたことだ。う−ん、素晴らしい。
山頂直下の切れ落ちた上に立つ大岩の上で、岩壁や海や空を眺めつつ、ゆっくり昼食をとった後、賑やかな御在所岳山頂をさっと、通り過ごして、国見岳に向かう。ガレと岩の広場から国見の山頂は、大笹を藪こぎして進んでみるが何故かたどり着けず、なのに「鈴鹿らしさを味わえた」と喜ぶK氏と夫であった。
国見尾根にも、落っこちそうな岩を上に乗せた奇岩の、ゆるぎ岩がある。またクライマ−張りつく大きく有名な、藤内壁が正面に迫る。道は急で少し疲れたので、裏登山道に出て、藤内小屋から沢ぞいを素直に下る。こんなこともあろうかと、車2台を中道と裏道の登り口に分けて置いたK氏は流石である。
そして湯の山温泉で汗を流した後、いつものように暴睡する夫と私を乗せて、近江八幡まで送ってくれ、途中、案内してくれた近江牛の卸店で肉を買う私達のために、珍しい部分(横隔膜)を要求してくれたり、値切ってくれたりもする。車に忘れた私の帽子まで送ってくれて、本当にありがとうございました。いつもお世話になって感謝感激雨霰なのだ。家で作った近江牛の焼き肉、美味しかったよ〜!
<行程>大阪ーJR→近江八幡=車→中道登り口…歩→ロ−プウェイ下…御在所岳…国見岳直下…国見尾根…裏道合流…藤内小屋…裏道登り口=車→湯の山温泉=近江八幡ーJR→ 大阪