移動して斜里岳を目指す。朝は晴天で、頂上までその雄姿を見せていたのに、登る途中で雨が降りだした。大勢の登山者で賑わう山である。
沢に沿って、どんどん登ってきながら、どんどん追い抜いていく。この沢歩きの道は楽しい登りだ。幾つもの小さい沢が横から合流してきて変化に富み、水の流れは上の方まで絶えず続く。
親切すぎないマ−クのお陰で程よく頭を使って歩ける。雨のため人混みのため休むことなく一気に上二股まで登るが、その先も「胸突八丁」と呼ばれる急登で、お腹がすいた二人には辛かった!けどこんな狭い道では休めない。
馬の背に立って、やっと一心地つけた。展望は無し、ぐすん。稜線はちらほら高山植物は咲くものの、早々に往復して引き上げた。頂上での滞在時間が最も少ない山となったな。
新道の熊見峠を目指すハイマツの尾根道は、時々ガスの切れ間から斜里岳の一部分が望めたのが救いであった。
登山口の、泊まるのが楽しみだった以前の清岳荘は、昨年の秋に火事で全焼したらしく、今はプレハブになっていて残念だ。が、どこの小屋のおやじも我の山を一番愛すように、斜里岳を恋い続けて数十年、幸せそうなおやじがいた。羅臼で会った青年は、前にしばらくここで、このおやじの息子分になっていたので、話が盛り上がり、他の客とも交えて宴会となる。おやじが撃った鹿肉のカンズメや、桃をいただいたり、翌朝、駅までも送ってもらっり(タクシ-が来てくれる時間じゃなかったので)、色々お世話になりました。