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近藤夫妻の1999年9月山行記録

後山1345m<岡山兵庫県境> 1999.9/5

  夏に豪遊しすぎたので9月は質素に暮らし、人の車に便乗するお金のかからない旅に徹する。姫路の友人M嬢が「後山に行こうかな−」って言ったものだから、私達はすかさず付いて行く。
 彼女は
板馬見渓谷を、実は期待していたのだろうに、前に行ったことのある夫は、新興宗教臭い谷だと説明し、長いの、暑いの、不便だのと、楽そうなコ−スを勝手に決めてしまったのだ。
 尤も、山を知り尽くした彼の案内だから、間違いはない?のかな…。この暑い時期、稜線歩きの快適さを求めたい。キャンプ場から約1時間で山頂稜線の
舟木山に着く。そこから後山には30分だ。
 舟木山遊歩道と言うのは、展望好く、瀬戸内海が望めると聞いた。が、白く霞んで、辛うじて、眼前の日名倉山(美作富士、関西百名山)が見えるくらい。それも名山の面影悲しく、山頂直下に切り開かれたベルピ−ル自然公園とかいう人工物が、異様に目立ち、私の涙を誘うのみ。ヒノキの植林も、ひょろひょろと育って視界を遮る。
 そして蒸し暑い。M嬢、「岩木山の登りに比べたら、全然楽」、あの時(8月山行記録記載)よほど堪えたのね。
 登り着いた稜線は、背丈越す笹に覆われて、隙間から背伸びしてやっと何やら少し覗ける。後山までその調子。北方に氷ノ山の眺望期待していたのに遠望よく判らず、麓の集落と
三室山など周辺の山群だけが見えた。
 数組の登山者で、山頂はまあまあ、賑わう。私達も休んで、来た道を戻るのだが、見渡す緑なす笹の稜線は何と、きれいな事か!
 魅き付けられてつい、
駒の尾山まで足を伸ばすことにした。しかし、気持ち良さげな笹は、びっしりと隙間なく長く高く生えそろい、刈られた幅の登山道をただ、巨大迷路の様な壁に沿って、命令された通り、歩かねばならぬ。人生、見かけに騙されてはいけないのだ
 そういえば箱根の金時山もこうだった。でも
駒の尾山周辺は、刈られて、剛毛笹も軟毛に変わった様である。視界が開け、大空が戻ってきた。風通り、気分も良い。ああ、山はいい。こうでなくちゃね。
 先頭を歩いた夫いわく、この山は蛇が多い。20匹以上そっと蹴散らしたそうだ。彼は巳年生れのくせに、蛇が恐いだ。


<行程>姫路=→後山キャンプ場…→舟木山…後山…駒の尾山…舟木山遊歩道…→キャンプ場