全国にある駒ヶ岳の中で最西にあり、最も知られていない山ではないだろうか。おおよそガイドブックにも載ってはいない。夫は何処からこんな山を引っ張り出してきたのか？この辺で登り残している山の一つらしく、名前にも魅かれたのだろう、彼の計略により私と彦根の友人、Ｋご夫妻及びセコビッチU号車が担ぎ出されたのだった。
地図には福井県側の麓の河内に温泉マークもあるがあまり気が乗らない。行ってみるとその集落は用途不明なダム建設のため転居させられており、その為に無粋な未完のダムや不要な道路の中を20-30分歩き彷徨うことになった。
旧住居跡を見つけて車で進むこと、かなり上まで道(ダ−ト)があり、誰もいない立派なキャンプ場や公園があった。曇りの為ガスで視界がきかず、何処が登山口か山頂かなのやら、看板の地図はさっぱり要領を得ない。今は廃虚化しているが、夏は地元の小中学校の林間学校等で使われるのだろう、広い遊歩道を進むと残雪残る登山口が見つかった。
山は登山口がわかれば５０％成功だ。ガスの中、なだらかな雑木林の山頂へと続く道を登る。Ｋ氏はこの森が気に入ったようだ。山頂では少し陽が射してきて周りの山の山腹が少し見えてきたが、待望の日本海は望めず残念だったな。ブナやナラの落葉樹の森も明るくなり、残雪と芽吹きの妙がよい。紅葉も良さそうだ。でもきっともう来ないだろうが、あの廃村跡とダムの行く末だけが心残りだ……。
<行程>大阪⇒JR→近江今津＝車→河内の森公園?(10:20)…歩→登山口…→駒ヶ岳…戻る→(1400)河内温泉入浴＝⇒近江今津⇒大阪