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猫に小判、豚に真珠・・・・・・現代音楽のタカラヅカ的楽しみ方?

「現代物は私には豚に真珠で・・」とメッセージをくださった方がおられました。
確かに、取っ付きの悪い苦い音楽作品が多いし、何から聴いたらいいのかよくわからない、知らない名前だらけで曲も覚えにくい。現代音楽についての本はやたら難読なものが多い。たまたま、偶然、コンサートで聴いたどこかの教授のエライ現代作曲家の曲はちんぷんかんぷんで不快な駄作だったなど、親しみにくく感じる面はあると思いますが、一旦、わかりだすと、近現代物を聴くことには、とても楽しめる事柄がたくさんあるのです。
現代音楽の楽しみ方、手の出し方について、ちょっと軽い提案。

>豚に真珠
ピアノの音がお好きであれば、豚ではなく猫の方だと思います。(笑)

現代音楽もいろいろあって、バーバーやグレツキや吉松隆などのように調性があるものを書く人も多いので、こういうものは、比較的とっつきやすいと思います。
現代音楽は当然、玉石混交なので、本当の駄作に出くわすことも多いので、気長につきあうしかありません。
駄作の時は、ブーイングを垂れ、作曲家が退屈そうに座っているロビーで友人と酷評して盛りあがるなどという下品な楽しみで我慢ください。
一度、傑作の初演などに出くわして、歴史の一場面に立ち会う気分を味わうと、何度はずれに出来わしても、今度こそ傑作かという期待をもって世界初演を追っかけるというはまり方もあります。(ビギナーズラックをお祈りします)

とっつきの悪いように思える現代音楽でも、食べ物でいえば、ブルーチーズ、くさや、なれ寿司のように、一旦はまると最高の大人の味のものもあります。
飲み物でいえば、現代物は、黒ビールみたいなものか。
甘くないあんな苦いものが、大人になるとおいしいんですね。
プロコフィエフあたりなら、チャイコフスキーなみのネタにおもいっきりワサビがきかせてあるようなものですが、現代物はもっと辛口だったり、アルコール度数が高いもの、渋味がきついもの、薬品ぽいものなど様々です。

現代の作曲家といえば、とことん若い作曲家の成長と出世を追っかけるという、ディープなタカラヅカファン的楽しみ方もあるかと思います。
「あの子、大物になると、音楽学校時代から注目していたのよ」
だとか。
若い人に目もくれないで、もう100年以上も前のおじいちゃんの音楽ばかり聴いていたら、せっかくこの時代に生きているのにもったいない。
映画「アマデウス」やその他、楽聖もの映画によくでてくる「当時の無理解な聴衆」には、なりたくないですね。
2001年9月10日
近藤浩平

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