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ホルストにおける脱西欧近代(論文) 脚注

近藤浩平

注1)J.S.Bach 『ロ短調ミサ曲BWV.232』
注2)ホルストがイスタンブールで接したもの。当時はコンスタンティノープル。
注3)Imogen Holst, "The Music of Gustav Holst, and Holst's Music reconsiderd "(Oxford University Press, 1986) p.47
注4)宗教間の対話、心理学といったものの動向を考えている。
注5)1872―1958、19世紀から20世紀中葉まで活躍した英国の作曲家。
注6)機能和声の拡大・発展というよりも機能和声以前、あるいは機能和声の存在を前提としない旋法性に遡ることで再構築された自由な調的組織という意味で言っている。
拡張的調性及び旋法和声という語をあえて使わない。
「多調主義」という言葉は限定的に過ぎ、無調主義に対する語としては狭すぎる。
マイケル・ハード『西洋音楽史入門』に用例あり。
注7)マイケル・ティペット Michel Tippet 1905年生まれ。
注8)エドムンド・ラッブラ Edmund Rubbra 1901〜1987。
注9)ベンジャミン・ブリテン Benjamin Britten 1913-1976。
注10)Imogen Holst,前掲書 pp.2−5,130及び、
R. Vaughan Williams,"Gustav Holst" Music and Letters, @(1920)p.307参照
注11)R. Vaughan Williams,前掲書p.187及び、
Ray Watkinson, 羽生正気・羽生清訳『デザイナーとしてのウィリアム・モリス』岩崎美術社、1985、pp.1-2参照
注12)Imogen Holst,前掲書 p.6
注13)Imogen Holst,前掲書 p.9
注14)Imogen Holst,前掲書 p.4,p.8
注15)Imogen Holst,前掲書 p.9,p.10
注16)Imogen Holst,前掲書 p.10
注17)R. Vaughan Williams,前掲書p.308, p.309
注18)R. Vaughan Williams,前掲書p.308, p.309
注19)R. Vaughan Williams,"National Music"(1934)塚谷晃弘訳『民族音楽論』雄山閣(1984)参照。及びImogen Holst,前掲書 p.121参照
注20)Imogen Holst,前掲書 pp.139,140,27,巻末ファクシミリ
注21)Imogen Holst,前掲書 p.32
注22)R. Vaughan Williams,"Gustav Holst" Music and Letters, @(1920)p.188
注23)R. Vaughan Williams,前掲書p.308及びImogen Holst,前掲書 p.43参照
注24)Imogen Holst,前掲書 p.43
注25)野村良雄『精神史としての音楽史』音楽の友社、(1956)p.238.  Hans Joachim Moser, Musiklexikon, 1934
注26)Imogen Holst,前掲書 p.89
注27)『エグドン・ヒース』の分析を参照
注28)Imogen Holst,前掲書 pp.88-89
注29)Imogen Holst,前掲書 p.123
注30)1896年からHammersmith Socialist Choir(ハマースミス社会主義者聖歌隊)の指揮者、1907年からMorley College for Working Men and WomenのDirector of Music、1905年から1934年までSt.Paul's Girl's SchoolのDirector of Music。Imogen Holst,前掲書参照。
注31)Imogen Holst,前掲書 p.6
注32)R. Vaughan Williams,National Music(1934)塚谷晃弘訳『民族音楽論』雄山閣(1984)参照
注33)Imogen Holst,前掲書 p.120
注34)チャールズ・リード「スタンフォードからヴォーン・ウィリアムスまでのイギリス」、アーサー・ジェイコブス編、平田勝、松平陽子訳『合唱音楽・その歴史と作品』全音楽譜出版、1980、pp.241―242
注35)C.Bax,"Recollections of Guatav Holst", Music and Letters,II(1939)p.4
クリフォード・バックスはホルストと親交のあった文学者。アーノルド・バックスの兄弟。
注36)この過程をImogen Holstは'struggling towards the freedom of the Lyric Movement'と呼び、詳しく論じている。Imogen Holst,前掲書 p.123参照
注37)エグドン・ヒース(Egdon Heath)とは、エグドンにあるヒースの茂った荒野である。ヒースは英国の荒地に生える小低木。なお、one's native heath という表現が英語にあり、生まれ故郷という意味である。
注38)'A place perfectly accordant with man's nature-neither ghastly, hateful, nor ugly; neither commonplace, unmeaning, nor tame; but, like man, slighted and enduring; and withal singularly colossal and mysterious in its swarthy monotony!'
"The Return of the Native", Thomas Hardy
注39)瀧勝也、「第4章『帰郷』――エグドンの自然と愛憎」、内多毅監修『イギリス文学評論T』創元社、1986、p.140
注40)瀧勝也、前掲書、pp.140−141
注41)Imogen Holst,前掲書 p.81、原文の表現は"the remote distance of time and space"
注42)Imogen Holst,前掲書 p.81
注43)Imogen Holst,前掲書 p.81
注44)Imogen Holst,前掲書 p.81
注45)Imogen Holst,前掲書 p.130
注46)多くの作品においては下行
注47)Imogen Holst,前掲書 p.3
注48)Imogen Holst,前掲書 pp.80−84
注49)
表:第1主題と譜例10の比較
譜例10 下短2度 上長3度 下増4度 上長3度 下短2度
第1主題 下長2度 上長2度 下増4度 上短2度 下長3度
注50)表2におけるC。第4節参照
注51)表2におけるE。第4節参照。エピソードの分析p.51-
注52)表2におけるD。第4節参照
注53)Imogen Holstは'a lament in fourths'(4度による悲歌)と呼んでいる。Imogen Holst,前掲書、p.83参照
注54)表2におけるA、第4節参照
注55)Imogen Holst,前掲書、p.83
注56)「呪文」と私が呼んだものを示す。
注57)イングランド、とくにMidlandの舞曲の一種。仮装して顔面を黒く塗って踊られることが多い。これは「儀式的劇における役者の非人格的、非個人的(impersonal)なキャラクターを保つための重要な要素」である。Maud Karpeles, "The New Grove Dictionary of Music and Musicians" 1980
注58)1926―1927作曲、合唱バレエ。BBC委嘱。English Folk Dance Scietyの為に作曲。Douglas Kennedy振付。Steuart Wilson作詞。
'a representation of the mating ordained by Nature to happen in the spring of each year'というノートが付されている。モリスダンスのリズムを持ち、伝統的フォークダンスに基づく振付で踊られる。Imogen Holst レコード解説Lyrita SRCS.128
注59)Imogen Holst, "The Music of Gustav Holst, and Holst's Music reconsiderd "(Oxford University Press) p.43
注60)『イエス賛歌』『木星』『どこまでも馬鹿な男(The Perfect Fool)』"The Morning of The Year"『死へのオード(Ode to Death)』等にあらわれ、何か新しい段階、別の空間へ突入するような意味があるように思われる。
注61)最終的には、第1主題及びその発展部の音型という、表2におけるAの要素が優位になり、第2主題はその中へ消えてしまう。
注62)問いの追求。I.Holstは第1主題発展部分(練習番号3から)の譜例14による2声の切迫した追いかけあいや、初期の『神秘なラッパ手(The Mystic Trumpeter)』や』『火星』の34小節目(スコアp.6 練習番号U)の6小節手前)にあらわれる2声間で追いかけあう音型についてpursuitと呼んで同質性を指摘している。
Imogen Holst, "The Music of Gustav Holst, and Holst's Music reconsiderd "(Oxford University Press) 
注63)Imogen Holst, "The Music of Gustav Holst, and Holst's Music reconsiderd "(Oxford University Press) p.83
注64)Imogen Holst 前掲書 p.36
注65)あわせると6音階から1音欠いたものとなる。
注66)Imogen Holst 前掲書 p.36
注67)譜例26のフレーズを指す。
注68)原文では'the aloof distance'
注69)原文では'had shrunk to a human tragedy' Imogen Holst 前掲書 p.36
注70)スコアVからWのanimato
注71)Imogen Holstは'the mood of acceptance'という表現を用いている。
Imogen Holst、 前掲書 p.36
注72)パターン化とリピートについては、諸井誠が指摘している。諸井誠「ホルスト《惑星》総集編」『BBC交響楽団日本公演プログラム』日本文化財団、1981
注73)Imogen Holst 前掲書 p.38 原文の表現は'angular incantation'
注74)本論文の第4章第5節p.56参照
注75)原文の表現は'a region that has never known make-believe'
注76)Imogen Holst、前掲書、pp.38―39、原文の文末は'magic itself stares down unblinking from a million miles away'
注77)Imogen Holst、前掲書、p.40 参照
注78)Imogen Holst、前掲書、p.11、p.82参照
注79)調的平行和声
注80)Imogen Holst、前掲書、p.81 参照
注81)Imogen Holst、前掲書、p.140 参照
注82)Vaughan Williams, "Gustav Holst"Music and Letters"(1920)pp.309-310及び
Vaughan Williams、塚谷晃弘訳「民族音楽論」雄山閣 1984 参照
注83)Imogen Holst、前掲書、pp.142―143
注84)Imogen Holst、前掲書、p.143
注85)本論文の第7章を参照
注86)『土星』『エグドン・ヒース』では、この対立は音楽構造によって示されるが、『火星』においては「対立」という雰囲気の描写にとどまる。
注87)"The Apocryphal Act of St.John"
注88)本論文第1章第4節p.14及び第4章第5節p.57参照
注89)"Pange lingua""Vexilla regis"
注90)Hymnとバスの音階進行(下行)の結びつきについては本論文第3節p.40参照のこと。
注91)
'Fain would I be saved: And fain wold I save. Fain would I be released: And fain would I release. Fain would I be pierced: And fain would I pierce. Fain would I be borne: Fain would I bear. Fain would I eat: Fain would I eaten. Fain would I hearken:would I be heard. Fain would I be cleaned: Fain would I cleanse. I am Mind of All!'
注92)「天体は私達の為に音楽をつくりだす。聖なる12使徒は私達と共に踊る。全てのものが踊りに加わる。汝等、踊らぬ者は、私達が知っていることを知らない。」
注93)「喜んで私は逃れ、喜んで私は留まる。喜んで私は命ぜられ、喜んで私は命ずる。喜んで私は包まれ、喜んで私は包む。」
注94)『海王星』の音響と極めて似たテクスチャーである。
注95)見つめるものにとって、私は明かりである。
注96)Imogen Holst 前掲書 p.50 参照
注97)「私の踊りを心に留めよ。語っている私の中にあなた自身を見よ。私のすることを見て、私の神秘(秘法・秘蹟)に沈黙を守れ。」
注98)荒井献『隠されたイエス、トマスによる福音書、福音書のイエス・キリスト5』講談社1984
注99)日本基督教協議会文書事業部キリスト教大事典編集委員会『キリスト教大事典』教文館、1963初版、1985改訂版第8版
注100)1919年作曲、合唱とオーケストラのための作品。テクストはWalt Whitman"Leaves of Grass"より"When lilacs last in the dooryard bloom'd"
ホイットマン『草の葉』より『前庭に最後にライラックが咲いた時』
注101)1930年作曲。吹奏楽のために作曲。オーケストラ版もある。"Hammersmith"(ハマースミス)とはロンドン郊外の地名。ホルストが生活した場所であり、ウィリアム・モリスの本拠地でもある。この曲の発想には、Ives(チャールズ・アイヴス)の"Central Park in the dark"(1911)(『宵闇のセントラルパーク』)を思い起こさせる所があるが、ホイットマンを愛読したホルストと、超絶主義(トランセンデンタリズム)を背景とするIvesの思想に共通項があっても不思議ではない。
注102)Imogen Holst 前掲書 p.47
注103)"Rig Veda"(リッグ・ヴェーダ)、ヴェーダ聖典の一つ。
"Mahabarata"(マハーバーラタ)、"Ramayana"(ラーマーヤナ)。インドの2大叙事詩。ホルストのオペラ"Savitri"(サヴィートリ)は、"Mahabarata"(マハーバーラタ)を題材にしている。
注104)チャールズ・リード「スタンフォードからヴォーン・ウィリアムスまでのイギリス」アーサー・ジェイコブス編、平田勝、松平陽子訳、『合唱音楽・その歴史と作品』全音楽譜出版、1980、p.243
注105)諸井誠が『惑星』における「モチーフのパターン化とリピート」を指摘している。諸井誠「ホルスト《惑星》総集編」『BBC交響楽団日本公演プログラム』日本文化財団、1981
注106)1909年から1910年に作曲。
注107)本論文第1章第4節及び注20参照
注108)"A Fugal Overture"(『フーガ風序曲』)にその例がある。
注109)"A Fugal Overture"(『フーガ風序曲』)は、オペラ"The Perfect Fool" (『どこまでも馬鹿な男』)の序曲として書かれた。
注110)Imogen Holst 前掲書 p.58
'He has never heard of neo-clasicism: Stravinsky had not yet written his Octet for Wind, nor had Hindemith began work on his Kammermusik Op.36'
「彼(ホルスト)は新古典主義のことは見聞きしていない。ストラヴィンスキーはまだ『管楽八重奏曲』をまだ書いていないし、ヒンデミットも『室内音楽 作品36』に着手していない。」
注111)ヴォーン・ウィリアムス『民族音楽論』塚谷晃弘訳、雄山閣、1984 参照
注112)Identity 自己同一性。何が私であるかということ。私が何であるかということ。
注113)ヴァン・エスは、「"人間"―非常に個人的なやり方で表現された人間の内的本性、感情、情緒」と書いている。
Danaid H.Van Ess,『西洋音楽史―音楽様式の遺産』新時代社、1986
注114)ケン・ウィルバー、管靖彦訳、「永遠の心理学:意識のスペクトル」、ロジャー・N・ウォルシュ、フランシス・ヴォーン編、吉福伸逸訳編、『トランスパーソナル宣言―自我を超えて』春秋社、1986

参考文献