地域情報発信におけるオーケストラのPR効果と経済効果 |
地域情報発信の巨大なパブリシティソースとしてのオーケストラのPR効果。 メディアとしてのサイズ、広告効果。 オーケストラのコスト・パフォーマンス。 |
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地域情報発信の巨大なパブリシティソースとしてのオーケストラのPR効果。
大都市の条件は、プロの野球チームとサッカーチームとオーケストラがあることだと言うことがある。この3つは都市、地域社会のシンボルあるいは共有財産として機能するとともに、地域を外に向かってアピールする強力なメディアとして機能する。
すぐれた演奏団体の存在は、年間の活動を通じて様々なメディアへの露出を生み出し、都市、地域の名前を、優れた文化的イメージとともにコンスタントに発信しつづける。
メディアとしてのサイズ、広告効果。
世界的トップクラスのオーケストラともなると、その露出量は巨大である。日本の地方オーケストラでさえ、年間の露出量のトータルは、非常に大きなものに達する。
年間100回以上、200回ほどにおよぶ演奏活動の延べ動員数は10万人単位となり、演奏が放送にのればその数は一挙に増大する。年間の演奏会告知の総露出は、マス媒体への広告、チラシ、ポスター類など有料で実施されるものだけでなく、各メディアが記事として掲載するものが多い。さらに演奏会批評が、各メディアに露出される。
演奏会批評が各中央紙、地方紙の文化欄に載り、さらに世界の音楽雑誌に掲載される。CDが発売され流通すれば、そのプロセスでの露出もある。世界で発売されれば、世界中の音楽メディアに演奏団体名が露出される。
音楽関係の出版物や、ネット上のページの量も莫大であり、それらの中に記述されることも少なくない。
演奏が放送される際の番宣やパブリシティも、大きなメディアの場合かなりのものである。地上波、CSやBSの各メディアが音楽番組の告知を実施する露出もかなり大きく、それらは、印刷媒体の番組予定表にも載ってくる。
これらの露出量のトータルを広告費換算した場合、どのような額になるだろうか。
各中央紙が、仮に全国版文化欄に大型の批評を掲載した場合、そのスペースを広告費換算すると、演奏会の開催費用に匹敵する。
例えば、ヴィーン・フィルの世界での露出量、PR効果を考えて欲しい。これを広告費換算して考えた場合、オーストリア政府はそれだけで、ヴィーン・フィルの年間維持費以上のメリットを回収しているのではないだろうか。
オーケストラのコスト・パフォーマンス。
都市、地域や支援企業等をアピールするメディアとして、オーケストラはもっと高い評価を与えられるではないだろうか。オーケストラの年間予算は数億から数十億規模。世界レベルのオーケストラでも年間30億円ほどの年間予算であり、その大きな部分は演奏会収入や民間の支援者からの収入でまかなわれ、構造的に採算ベースにのらない部分のみが助成等によってまかなわれている。
仮に、日本のどこかの都市が、世界トップクラスのオーケストラをもった場合、そのPR効果は、何百億円もかけた観光施設や道路、モニュメント類のPR効果をはるかにしのぐものとなるでしょう。
年間の観客動員による、周辺への経済効果、地域情報発信としての効果などを考えるとオーケストラへの助成という公共投資も、企業による支援という投資も、今以上に経済効果を評価すべきです。
景気が悪いからといってオーケストラへの助成や、メセナをカットすべきではないでしょう。むしろ公共投資の一項目としても一層重視すべきだとおもいます。
ほとんど何の役にもたたない無駄なダム建設や用途不明の大規模林道などの公共事業をやめて、そのうち、ほんの50億円ほど回せば世界トップクラスのオーケストラがやすやすと設立できる。世界中で有名になり、世界中から聴衆がやって来て、ついでに観光もしていく。文化都市として都市の知名度も世界的に一気に上昇。世界企業の誘致もやりやすい。
文化予算の中での融通としても、美術館建設や、世界の名画購入よりも、安いものだ。
山梨の美術館のミレーは、なんぼしたっけ。
公共事業としても、そう悪くないと思うがどうだろうか。
トンネル一本、林道1本分、小型のダム1つで、世界的一流オーケストラが出来る。
どこかのセンセイ、役人、やりませんか?
ホール建設工事のおまけつきでも駄目?
(1999年8月28日)
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